甲南大学キャンパスことば辞典
HP版公開に際して
この辞典を刊行して、もうすぐ7年になろうとしています。その間、甲南大学は兵庫県南部地震によって甚大な被害を被りました。また、カリキュラムや学科編成においても、一般教育から広域副専攻科目への移行をはじめ、学部・学科内でも講義科目の変更がありました。学科編成では、文学部の人間科学科新設や名称変更(国文学科→日本語日本文学科、英文学科→英語英米文学科)などがあり、7年前とは外的にも内的にも全く異なった状況になっています。一方、本書には、今では学生の必需品となっている「ケータイ」「ピッチ」「イーメール」等が収録されておらず、社会情勢の大きな変化も見逃せません。
上のようなことがらを踏まえ、なるべく早い機会に改訂版をまとめる予定です。御意見・御感想をはじめ、面白い情報がありましたら是非教えていただきたく思います。HP版公開に際しては、誤植など最小限の修正を行ないました。また、山口洋子さんによるカットには都染が彩色を施しました。
1999.3.8.
ま え が き
社会言語学の研究対象のひとつに「集団語」がある。近年、集団語や若者ことば、特に大学における「キャンパスことば」についてまとめたものが多く見られるようになった。それらの先駆けとなり、充実した内容を見せるのが、『専大生キャンパスことば事典(第2版)』(1990年度版、編集責任者:永瀬治郎)であろう。また月刊・言語・(大修館書店)には、米川明彦氏「すきやねん若者語辞典」が連載中(92年4月号まで)、92年5月号からは吉岡泰夫氏「おもしれーけん若者語」が連載予定である。
甲南大学文学部国文学科の専門科目として都染が担当する「国語学特殊講義(1990年度後期、1991年度前期に開講)」では、社会言語学をテーマに講義を行なったが、「キャンパスことば」に重点をおき、言語研究における位置付けや捉え方を考えてきた。東の専修大学に対し、西の甲南大学の資料をまとめることは、「キャンパスこ とば」の発生・伝播・分布を解明する糸口になることと思われる。そこで、今回こ のようなかたちで『甲南大学キャンパスことば辞典』を刊行することにした。
講義受講者の内省を中心に「キャンパスことば」の収集を行なったが、1991年度国語学概論(都染担当)の受講者約100名(1年生が過半数を占める)にも、「甲南大学に入ってから覚えたことば」というレポート(5月実施)として収集に協力してもらっ た。 一方、甲南大学生の8〜9割が大阪府・兵庫県出身者であることから、両府 県の全高校について略称調査を試み、その資料を付録として収める。
語ごとのカード作りは受講者全員で行なったが、カードの整理は山口洋子さんと久合田朗君に、本書をまとめるにあたって、原稿のワープロ入力は久合田朗君に、本文中のカットは山口洋子さんにお願いした。それらの各段階で、都染はチェック・校正を行なってきた。もし本書に誤り等があるならばその責任は都染にある。
講義の受講学生が文学部生のみであったことから、まだまだ全学をカバーするには至らないが、今後改訂を重ね、より充実したものにしてゆきたいと考えている。甲南大学生をはじめ、多くの方々から御意見・御感想をいただければ幸いである。
1992年3月20日都染直也
1990年度 勝山登志子(国文4年) 久合田朗(社会4年)
金谷弥生・川崎美奈・山口洋子(国文3年)
1991年度 山口洋子(国文4年) 兼田 博・川村吉明・柳川一芽(国文3年)
(氏名等は当時のまま)
凡 例
・見出しは表音的カタカナ表記で、五十音順に配列する。例:パンキョー
・アクセントは●・○で[ ]内に表示する。●は高く発音される拍を、○は低く発音される拍を、・複数のアクセント型がある場合は[●○○、○●●]のように示す。
・アクセント欄が[○○○]、[○○]のようにすべて○になっているものは、型が不明のものである。・語義が複数のものは@A…で示す。
・=は、同義語を示す。例:マクド=マック 同義語として示された語には、項目として収録さ・甲南大学に限らず、他大学のキャンパスことばも収録している。
・京阪神以外の方言も収録されているが、クラブ・サークルなどで「仲間ことば」的に使用されていこの資料の一部もしくは全体を引用する場合は、必ず事前に都染まで御連絡ください。
『甲南大学キャンパスことば辞典』のtext-file版を御希望の方は下記へ。
(C)TSUZOME,Naoya
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